パイプライン
トランスクリプトーム創薬とは
トランスクリプトーム* 創薬:トランスクリプトームの解析から低分子化合物の作用機序を同定したり、低分子化合物でトランスクリプトームに介入することによって遺伝病や癌を治療する、画期的な創薬手法
*トランスクリプトーム:細胞に発現しているRNAの総体
非オピオイド鎮痛薬開発プログラム
BTB-101(ENDOPIN): 新規作用機序 非オピオイド鎮痛化合物
トランスクリプトーム(ゲノムから発現するRNAの総体)解析から見出された、世界初のアドレナリン受容体α2B阻害の低分子化合物であるBTB-101は、非臨床試験の動物データではオピオイドと同様の強力な鎮痛効果を持ちながら、薬効域で副作用や依存性は示さないという特徴があります。これにより、患者さんの痛みを効果的に管理しつつ、安全性の高い治療オプションを提供することができます。米国などにおけるオピオイド危機を解決する、臨床現場での第一選択薬と位置づけるべく開発を進めています。
RNA制御薬開発プログラム
低分子のRNAスプライシング制御薬は、核酸医薬と異なり、合成コストが安価であり、経口による長期投与が可能です。一つの化合物が複数の遺伝病に対して有効なため、いずれかの遺伝病で薬効が取得できれば、他の希少な遺伝病にも適応の可能性が広がります。また、遺伝子変異に応じて発病前から投与を開始する、先制医療が可能となります。
遺伝性希少疾患治療薬開発プログラム
BTB-201: 対象疾患 心ファブリー病
α-ガラクトシダーゼA遺伝子(GLA)の異常RNAスプライシングに起因する心ファブリー病の治療薬を開発中です。
BTB-202: 対象疾患 QT延長症候群
若年者の突然死の原因となっているQT延長症候群で、最も多いイオンチャンネルの異常RNAスプライシングを治す治療薬を開発中です。
またこの化合物はがん細胞のスプライスネオ抗原を誘導し、非臨床試験では免疫チェックポイント阻害剤の効果の増強作用を認めます。
がん免疫療法増強低分子化合物
BTB-301 : がん特異的スプライスネオ抗原発現亢進化合物
がん細胞に共通するスプライスネオ抗原の発現を高める低分子化合物で、非臨床試験では免疫チェックポイント阻害剤の効果促進の作用を認めます。